ぼくの二日間戦争
「アップデート終了まで60時間」
地獄かよ、iOS8.3…。
iPhone歴7年目にして、手垢がつきまくって真っ黒な「画面を割る」という愚行を働いてしまいました。
液晶部分がバキバキに割れたのではなく、縁の部分に1cmぐらいのヒビが入っただけだったので、別に放っておいてもよかったのですが、神経質な部分が全面的に出てきて、落とした2秒後ぐらいに「iPhone 画面 ヒビ 修理」でググってました。
バッキバキに割れたまま使ってる女子高生のメンタリティを少しは見習いたい。
調べた結果、どうやらまだ保証期間内、かつ、保険的なものに入っていたようで、8,000円ぐらいで新しいiPhoneに交換してくれるらしいです。
(gj、9ヵ月前の自分)
生まれて初めて「保険」というもののありがたさを感じました。
今まで、「人を脅して金を巻き上げるシステム」だと思っててごめんなさい。
で、新しいiPhoneを受け取って、ルンルン気分でデータを復元しようとしたら、新しいiPhoneはOSが8.2のままだから、8.3のバックアップデータを復元できないとのこと。
まぁ当然OSをアップデートしますよね。
そしたら表れたのが、冒頭のメッセージ。
それも、「アップデートを要求しています」のメッセージが1時間ぐらい表示された後に表れたもんだから、ダメージ大きいです。
何この、時間差すごいワンツーパンチ。
さすがに60時間は待てないので、アップルのサポートセンターに電話します。
最近よく思うんですけど、サポートセンターの電話番号が記載されてない企業多すぎません?
特にIT企業。
いや、たしかにサポートセンターの維持コストが高いから削減したいのはよくわかります。
かかってくる電話の内容も8割はどうでもいいものか、ググったら分かるようなことだってのもよーくわかります。
ただ、残りの2割の「ググってもどうにもならない、ならなかった問題」を抱えてる人からすると、電話番号が見当たらないのはすごいストレスなんです。
ここらへんのバランス感覚は非常に難しいですね。。
閑話休題。
サポートセンターの男性いわく、wifiでアップデートするより、iTunesでする方が早いとのことなので、早速やってみます。
が、なかなかiTunesとiPhoneがつながってくれません。
アップデート以前の問題。
この状況に対して、「こういう時のマニュアルをお送りするんで、その通りにやってみてください」と、サポセンの男性。
送られてきたマニュアル通りにやってみたり、他にも調べてみたものの、全く改善しません。
ここまで頑張ってダメだったんだから仕方ない、もう一回電話だ…!
「土日の営業は17時までとなります(自動応答)」
お兄さん、早くあがりたかったろうに、定時直前に電話して引きとめてごめんよ。
僕だったら無視して帰ってた…。
その後も色々調べたものの、結局何も進まず、土曜日終了。
そして、今朝9時前。
サポセン営業開始まで少し時間があったので、「嫁のiPhoneでアップデートしてみたらどうなるんだろ?」と思ってやってみたら、嫁のiPhoneが1分もしないうちに死にました。
バックアップとかそういうことは聞かないでください。
失意の中、9時になったのとほぼ同時に電話。
今日対応してくれた女性も頑張ってくれたものの、解決の糸口はつかめず。
「申し訳ありません、エキスパートに転送しますので、少々お待ちください…」
エスカレきたー。
「エキスパートが担当=即解決」という図式を頭の中に描いていましたが、ここからが本当の地獄でした。
5時間、エキスパートの女性(以下Aさん)と電話しましたらからね。
もうなんか色々やりすぎたので、ここは省略します。
ただ、ここで感心したのは、Aさんの対応。
今までの担当者が、いきなり解決策を提示してきたのに対して、Aさんはまず、どこに問題があるのかを特定しようとするアプローチでした。
問題の定義→問題の特定→問題の原因の把握→解決策の立案
Aさんはこの問題発見&解決のセオリーに非常に忠実。
問題解決が日常業務であるサポセンの人たちとって、このセオリーを守ることは何よりの武器となると思うのですが、きちんとできてる人は意外と少ない印象です。
7割ぐらいの人はいきなり打ち手を指示してきます。
こういう人たちは以下の3タイプに分けられると思います。
1. マニュアル実行型
「○○という症状の時は××してみる」というマニュアル通りに指示を出してるタイプ。
「問題の定義」はできてますが、「問題の特定」と「原因の把握」はできてません。
サポセンは一件当たりの対応時間の短さが結構問われるので、こうやってマニュアル化することで時間短縮を図ってるってのもあると思います。
あと、人材の育成が楽でしょうね。
若い人に多く見られるタイプです。
2. 歴戦の猛者型
いきなり打ち手を提示してくるという点では、マニュアル実行型と同じですが、打ち手が出てくるまでのプロセスが大きく異なります。
マニュアル型がいきなり「解決策の立案」にジャンプするのに対して、歴戦の猛者型は自分の中で「問題の定義」から「解決策の立案」を行ったうえで、最後の「解決策の立案」の部分のみ、こちらにアウトプットとして提示してきます。
場数の多さがこれを可能にするので、ベテランに多いです。
3. 天才型
場数の多さではなく、頭の回転の速さで、瞬時に「問題の定義」から「解決策の立案」を行う人たち。
極一部、こういう人たちもいると思います。
まぁ正直どちらのタイプも問題を解決してくれれば、こっちとしてはそれでいいんですが、問題の特定から始めて、現象の因果関係を説明してくれた方が、似たようなトラブルが起きた時にこっちで応用して自分で解決できるから、ありがたいんですよね。
それに、結果的にその方がサポセンにかかる電話も減ると思うんです。
今回はAさんの頑張りも空しく、
「問題特定できないから、とりあえず、カメラのキタムラでアップデートしてきてください…」
という結果になりましたが、問題を解決するうえで忘れてはならないセオリーをAさんに再認識させてもらいました。
Aさん、昼食も摂らずに根気強く対応してくれてありがとうございました!
ちなみに、妻のiPhone5はなぜか新品交換となり、それでなんとか押し切れるかと思いましたが、妻の表情は険しいままでした。
この土日で得たもの
・新品のiPhone6
・問題解決セオリー(再認識)
この土日で失ったもの
・時間
・妻のiPhoneデータ
カメラのキタムラがアップルの修理事業に乗り出してることに関しては、また別の機会に考えてみたいと思います。